先日エッセイに書いた、スポーツジムの入会手続きをしていた時のことです。手続きは専用のタッチパネル端末で行う仕組みだったのですが、その画面を見ていろいろと考えさせられてしまいました。
その端末は、明らかにシニア層も使うことを想定して作られたUI(ユーザーインターフェース)でした。「老眼でもメガネなしで読めるように」という配慮なのでしょう、操作ボタンや文字が画面いっぱいに、これでもかと大きく表示されているのです。
ところが、これが実に見づらい。大画面にボタンがあまりにも巨大に配置されているため、一度に全体像を把握することができず、かえって視線があちこちに泳いでしまうのです。大きければ大丈夫だろうという御座なりな「UI」になっていて、操作性は決して良いとは言えませんでした。
おそらく、このシステムを設計したのは若いクリエイターの方々なのでしょう。「高齢者は文字が大きければ見やすいはずだ」という、頭の中の想像だけで作られてしまった印象を受けます。やはり、シニア向けのUIは、実際にその不便さを知っているシニアのエンジニアやデザイナー自身が開発に携わってこそ、本当に使いやすいものが生まれるのではないでしょうか。
そんなことを考えているうちに、「これからのシニアの活躍の場は、老老介護ならぬ『老老ITサービス』にあるのではないか」という思いが湧いてきました。当事者だからこそ気づく改善点は山ほどあります。私も現役のクリエイターとして、ぜひそんな開発に関わってみたいものです。どこかでシニア向けのIT機器開発メンバーの募集、していませんかね(笑)。