半年間の処方箋トレーニングを終えた12月。会社を退職して約2週間が経った頃、大先生からバトンを受け継いだ執刀医となる主治医との面談の日を迎えた。
改めて主治医と向き合う。
短かめの髪、がっしりとした体格、そして太い腕。まるで現役のラガーマンかと思わせるような、まさにスポーツマン体型だ。その先生が「体の状態をみてみましょう。ベッドに移動してください」と立ち上がった時、172cmの私が思わず見上げるほどの巨躯だった。身長は185cmを超えているだろう。この体格と雰囲気ならば、まるで土木工事にも例えられる脊椎手術を安心して任せられる、そう直感した。
レントゲンが語る歪みと矯正の現実
身体チェックを終え、再びデスクに戻ると、先生は脊柱矯正についての詳細な説明を始めた。そして、ご本人の許可を得たという、同じ脊椎固定術を受けた患者さんのレントゲン写真を見せてくれた。その写真に映し出されていたのは、衝撃的な光景だった。肩甲骨の間あたりから腰の下まで、背骨が金属プレートに挟まれ、何本ものネジでしっかりと固定されている。さらに、腰椎部分から骨盤にかけては、長いボルトが2本伸び、腰全体を骨盤で強固に支えているのだ。
つまり、私の背骨はまっすぐに矯正される代わりに、その大部分が二度と曲がらなくなる、という事実を改めて突きつけられた瞬間だった。
メリットとデメリット、そして覚悟の決断
先生は、脊椎矯正手術のメリットとデメリットを明確に説明された。
「この手術を受ければ、今の腰の痛みは解消されます。そして、何年か後に歩けなくなる危険性もほぼなくなります。しかし、背骨が曲がらなくなるため、前回の脊柱菅狭窄症手術後以上に日常生活で不便を感じる場面も出てきます。手術後は3週間から1ヶ月、この病院で入院します。伝い歩きができるくらい回復したらリハビリ病院に転院してさらに2~3ヶ月の入院が必要になります。
半年間、じっくり考えてこられたと思いますが、改めて伺います。
この手術を受けられますか?」
改めて問われた私は
「はい、手術を受けます!。」と迷わず答えた。
今の私は、長時間立っているだけでも辛い。そして、このまま症状が悪化すれば、いずれ車の運転さえできなくなるかもしれないという強い恐怖があった。運転ができなくなる。。。それは、何よりも避けたいからだ。
そして、合計3~4ヶ月もの長期入院。
前回の脊柱管狭窄症手術での入院は、3週間少々だった。当時の私は、日頃のトレーニングで鍛え上げていた足腰のお陰で、退院した翌日から電車で出張するほどに回復していた。だから今回も、一般的な見込みよりも早く立ち直れるのではないか、と楽観的に考えていた。そんな自分なりの見通しがあったから、私は手術OKを即答したのだ。
しかし、その考えがいかに甘かったかを思い知らされるのは、この脊椎固定術から約2ヶ月後、2回目の手術を受けた後のことだった…。