入院 手術 日記 第2章

【第2章】ICUの過酷な夜。人生で一番美味しい水と、病棟帰還を延ばしたトラブル遭遇

2026-02-27

「無事終わりましたよー」という看護師さんの呼びかけで意識が戻った。しかし、目覚めた瞬間に感じたのは「生還の喜び」よりも、全身を包み始める痛みと不快感だった。

今回は、脊椎固定術後、ICUで過ごした一睡もできない夜の記録と、病棟へ戻る際に起きた予期せぬアクシデント。そして、その後に判明する「トラブルの予兆」について綴る。


「あれだけの大手術」を物語るICUでの処置

手術室から運ばれたのは、一般病室よりも広いICUの一室。背骨の7割近くを切り開いた傷は、麻薬成分を含む強力な痛み止め点滴のおかげで「激痛」こそ免れていたが、身体を動かせないストレスは限界に近い。特に股関節と両膝の痛みとしびれがひどく、抱き枕を膝の間に挟んでなんとか姿勢を保つしかなかった。

そこへ主治医がやってきた。
「あれだけの大手術でしたが、うまくいきました。貯血しておいた自己血800mlもすべて使い切りましたが、出血量とほぼ同量ですので安心してください」

主治医の口から出た「あれだけの大手術」という言葉。そして800mlもの輸血。自分がどれほど長時間の過酷な戦いの中にいたのかを、改めて思い知らされた。


「水はダメ」絶望の後の「奇跡の一杯」

ICUではスマホも使えず、ただひたすら不快感と戦う。気休め用としてテレビをベッドの右横に持ってきてくれる。しかし、見るには右を向くしかないのため寝返りをすると見られなくなる。それ以上に視聴しても痛みと不快感や吐き気で内容が頭に入ってこない。
手術後3時間となる21時過ぎ、待望の水飲み解禁の時間だ!。ナースコールで水をお願いしたところ、ICUでは経過観察のため12時間後まで飲めないという。この宣告には心底がっかりした。

深い眠りにつけずうつらうつらしたまま就寝時間帯を過ごす。1、2時間ごとに看護師さんに寝返りの介助をお願いして過ごす。窓の外がようやく明るくってきた朝6時。ついにその時が来た。

「お水をお願いします!」
「はい、お待ちくださいっ」
運ばれてきたのは、紙コップに氷を浮かべ、ストローを刺しただけの水。それを一気に飲み干す。
「冷たい、美味しい……!」
長い人生で最も美味しいと感じた、奇跡の一杯だった(笑)


病棟への帰還、そして襲いかかる「肋骨下の痛み」の正体

8時ごろ、朝食が運ばれてきた。えぇ?ICU でも朝食が出るの?、驚きつつも回復には食べることが一番なので頂くことにする。今日はパンと煮野菜。ジャムをつけつつ半分ほどを無理やり胃に流し込む。
この後、CT検査を経てようやく元の病棟へ戻ることになった。頭を動かすと気持ちが悪くなるので、移動してくれる看護師さん2人に、ゆっくり動くようにお願いする。しかし、ここでアクシデントが起きる。
確かに直線は丁寧に動かすのだが、カーブは気にせず急に曲がる。3回目のカーブに耐えられなくなり寝たまま嘔吐。着替えのためにICUへ逆戻りし、ようやく自室に戻れたのは11時を過ぎていた。

そしてこの時、私を別の苦しみが襲っていた。身体を動かすたびに、肋骨の下側に刺すような強い痛みが出るのだ。最初は「術後の肋間神経痛だろう」と楽観視していた。

だが、その正体はな予期せぬものだった。実はこの時、脊椎の固定端に近い「胸椎10番」が圧迫骨折を起こしていたのだ。
原因が判明してあとで聞いたところによると、脊柱矯正手術において15から20%の確率で起こりうるとされるアクシデントだ。
この痛みが、後にリハビリ病院への転院を白紙に戻し、「3度目の手術」へと私を突き落とすことになるとは、この時の私はまだ知る由もなかった。

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