脊柱固定術の本番から2日目の朝。6時のバイタルチェックで一日が始まった。熱は高く、血圧は低め。そして執拗に追いかけてくる吐き気。満身創痍ではあったが、この時の私はまだ「日が経てば、少しずつ楽になっていくはずだ」と信じていた。
今回は、順調に見えた回復の兆しと、ふとした瞬間に響いた「背中の音」、さらに術後2日目の夜を襲った過酷な苦痛について綴る。
「この手術を受けた人の中では元気な方です」
午前9時、主治医の回診で背中のドレン(排液管)を抜いてもらった。尿の管や点滴はまだ繋がっているが、少しずつ身軽になっていくのが嬉しい。
主治医からは「神経周りを大幅に触っているので痛みは強く出ますが、マッキーさんはこの手術を受けた患者さんの中ではかなり元気な方ですよ」と声をかけていただいた。確かに、痛みはあるものの自分で枕のタオルを替え、冷蔵庫から水を出して飲んでいる様子を見て、先生も安心されたのかもしれない。私自身も「よし、ここからだ」と気合を入れ直した。
午前中のリハビリでは、理学療法士のAさんの支えで自力で立つことに成功。これで明日には尿の管を抜いて、自力でトイレに行ける目途がついた。昼食後には強力な痛み止めの点滴も外れ、飲み薬でコントロールする段階へと進む。
夕食時に起きた一瞬の異変
検査やスタッフとのやり取りで日中は慌ただしく過ぎていった。夕食時、栄養士さんと相談して用意してもらった半分量のご飯を食べていた時のことだ。
少し身体を捻って寝返りを打とうとした瞬間、――ボキリ。と背骨が音を立てた。
「うわあああ!」と思わず叫んでしまうほどの凄まじい衝撃と激痛が走ったが、その痛みは5分ほどでスーッと引いていき、幸い元の状態に戻った。「大きな手術をした直後だし、こういうこともあるのかな」と、その時は深く考えずにやり過ごした。
術後特有の痛みと、遠い夜明け
本当の試練は、消灯後の夜に待っていた。先ほどの背中の音とは別に、術後2日目特有の全身に広がる重い痛みと、逃げ場のない不快感が私を襲う。
アイスノンで冷やしてみるものの、身体の芯にある苦痛が強く、どうしても眠気がやってこない。薬は飲んでいても、大手術の後の身体はそう簡単に休ませてはくれないようだ。痛みはじっとしていられないほどで、スマホでゲームをしたりSNSを眺めたりして、なんとか意識を逸らしながら時間をやり過ごした。
結局、その夜のトータル睡眠時間は3時間ほど。1時間ほど寝ては痛みで目が覚め寝られなくなる、という細切れの睡眠をしつつ、ようやく朝を迎えた。
「これでは体がもたないな、少しでも回復して眠れるようになりたい…」
ひたすらそう願いながら、術後2日目の夜を戦い抜いた。回復への道は、決して平坦なものではないと思い知らされた一晩だった。